相続の相談を受けているとタイトルの通り、
『遺言書のせいで争いになった』という事例があります。
争いが起こるのは、その相続にともなう関係者の思いが伝わっていないからです。
前回書いた
「親の思い子知らず、子の思い親知らずhttp://dream-get.com/information/2020/info278.html」も、
まさに同じです。
今回のご相談は、家族で話し合って、分割の方法も決めた上で公正証書遺言を作成されたとのこと。
そのご相談者は、しっかり話し合い、自分自身の苦労もわかってもらったうえでの分割案だったので、
本当に嬉しくて兄弟にもお礼を述べた上で、親に公正証書遺言を書いてもらいましたと
おっしゃっていました。
それなのに、実際に親が亡くなられ、公正証書遺言が開示されると、ご兄弟の態度が一変!
いま、調停になっているとのこと。
ご本人は争いそのものが嫌なので、早く調停が終わるように、ご兄弟の意向を尊重するとか。
「せっかく家族で話し合って納得をもらっていたし、兄弟にも自分が親の介護をしていたことを
評価されたのだと思って喜んでいたのに、ヌカ喜びでした。」
「介護したものが馬鹿を見る世の中なんですね。」
実際のご相談内容はその後についてのお話だったのですが、なんとも残念で切ないお話でした。
この事例のように遺言書を作るときは、十分に注意が必要です。
親の思いだけで遺言書を作成すると、遺言書そのものが形式にのっとっていなかったり、
法律に基づく分け方がされておらず後に争いになったりと、色々起こるものが、遺言書です。
遺言書を作られる際は、必ず、専門家に相談されることをお勧めします。
それが「争い」を避ける一番の方法です。