相談に来られる人の中で一番の相談内容は、「老後不安」です。
これは年代に関係なく、20代は漠然と、50代は直前で焦る、といった感じに受け取れます。
数年前に起こった老後に必要なお金は2,000万円です、
といった老後不安をあおるような報道もあいまって、
老後不安は募っているのだと思います。
ところが、時々相談に来られる人の中には、老後不安はない、という人もおられます。
お話を聞くと、
「今は子どもの教育費で生活は少々厳しいけれど、将来は親から相続する財産があるので、
安泰なんです」という人も。
「それなので、60歳代ぐらいまで生活ができれば、大丈夫なんです」ということも言われます。
すべてのファイナンシャル・プランナーがその答えを話すかわかりませんが、
私としては、次のようにお話します。
「相続財産は、宝くじと同じだと考えた方が良いですよ。」
「言葉は悪いですが、相続財産はタナボタ(棚から牡丹餅)なものです。」
「相続財産を自分のライフプランに取り込み、老後の生活は安泰だと考えると、少々疑問がわきます。」
「すでにその相続財産の行先が遺言書により決まっていたとしても、
今後書き直されることもありますし、絶対とは言えません。」
「老後のお金のことを考える時は、本当の意味での安泰を目指すために、今から準備します。」
といった感じでお話をし、相続財産を除いた状態でステキなライフプランを作り、
そのプランに見合ったお金の出入りを考えます。
決して、相続財産を含めてのお金の出入りを考えないでください。
相続財産が万一その計画通りに手に入らなかった場合が、恐ろしいからです。