エンディングノートは法的拘束力がないので、一部の士業の人に言わせると、何の意味があるの?とおっしゃいます。
たしかに遺言書と比べると法的拘束力という意味では、役に立たないものです。
しかし、そこだけの判断で「意味がない」と言い切れるでしょうか。
今年に入り、知人から「エンディングノートをすぐに欲しい」「時間がない」と焦りのメッセージをもらいました。
個人の尊厳のため詳細は避けますが、その知人には遺言書ではなくエンディングノートが必要だったのです。
エンディングノートって何を書いたら良いの?とよく質問を受けます。
答えはいつも「書きたいことを書いたらいい」と話をします。
なぜなら具体的に書くことは、人それぞれ異なるからです。
そのため、その人に合ったエンディングノートを作成する必要があります。
たとえば、70歳の人が書くエンディングノートと40歳の人が書くエンディングノートは全く異なります。
さらには、親が生きているのか、結婚しているのか、子どもがいるのか、こういったことでも書く内容は全く異なります。
つまり、その人に合ったエンディングノートを作ることで、本当の意味でのエンディングノートが完成します。
そして一人で黙々と書き進めることもできますが、中には書き進められず、困っている人もおられます。
そのような人には、いつも一緒にそのノートを広げ、「あーでもないこーでもない」と言いながら、書き進めてもらいます。
エンディングノートの作成は、もちろん「死」を覚悟して書くこともあります。
自分の伝えきれなかったことをしっかり伝える、という役割です。
でもそれだけではなく、自分と向き合うこともできます。
今までの自分と向き合い、これからの自分をこうしたい、という決意を新たにする役割もあります。
つまりどんな人にもエンディングノートは必要なものです。
エンディングノートの必要性をやはりわかって欲しい、強く思います。